久留米市は、福岡県の南部に位置する人口30万6千人の中核市です。また、筑後平野の肥沃な大地に恵まれた福岡県最大の農業生産都市で、近年は、九州新幹線久留米駅の開業をはじめ、新たな都市基盤の整備も進むなど、可能性に満ちた魅力あふれる都市です。
なお、平成29年度末時点での国民健康保険被保険者数は69,797人で、市の人口の22.8%を占めています。
平成28年度の特定健診受診率は34.2%で、県の平均値は上回っていますが、伸び悩みの状況となっていました。また、40歳代、50歳代の働き盛り世代の受診率が低いことが課題となっていました。
特定保健指導をはじめ、糖尿病の一次予防等を目的とした早期介入保健指導事業、高血圧症の一次予防等を目的とした血圧改善支援事業、心臓病や脳卒中等の生活習慣病の重症化予防を目的とした重症化予防支援事業などの保健事業を実施しています。
福岡市で行われた「データヘルス・予防サービス見本市」において、エヌ・エイ・シーの展示ブースを拝見したのがきっかけでした。受診率の伸び悩みや業務の多忙化という現状を考えたときに、魅力的な提案に映りました。
これまで、本市で実施していた未受診者対策は、ハガキ送付及びコールセンターによる受診勧奨でした。一方、御社のサービスは過去の健診データをもとに個別アドバイスを掲載することにより、受診勧奨を行うというもので、未受診者への訴求効果が高く、さらに事務負担も少なく抑えられるということが、導入に至ったポイントでした。
導入にあたっては、特段苦労したことはありませんでした。しかしながら、導入後、エヌ・エイ・シーとの過去の受診履歴にかかる個人情報のデータのやり取りにおいて、氏名の文字化け等が発生したり、受診勧奨の対象者を抽出する過程において対応に苦慮したりというケースはございました。
本市では、過去5年間において、健診を1回~4回受診されている7,509人に対して受診勧奨シートを送付し、そのうち3,409人の方が受診されています。この影響もあって、全体の受診率(5月31日時点)も、僅かではありますが、昨年度より増加傾向となっています。こうしたことからも、本サービス導入による成果は一定あったものと考えています。今後においては、受診率の更なる向上に繋げるため、より訴求効果の高い受診勧奨シートを作成していく必要があると考えています。
本市では、特定保健指導の実施率が著しく低迷していることから、今後はその改善に繋がるようなツールの検討・実施が重要だと考えています。