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2017.11.18

埼玉県吉川市 国民年金課

エヌ・エイ・シーより
埼玉県吉川市
健康福祉課 国民年金課
課長補佐
松本 英明氏


埼玉県吉川市
健康福祉課 健康推進課
保健師
菅原 歩氏


重症化予防以外の新鮮な提案

初めに貴市の状況についてお聞かせください。

松本:吉川市は埼玉県の南東部に位置し、平成8年4月に市制を施行しました。中川、江戸川という2つの川に挟まれた地形を生かした文化が育まれ、川魚料理という食文化が根付きました。「吉川に来て、なまず、うなぎ食わずなかれ」といわれるほどの名声があり、歴史上の著名人なども食していると言われています。吉川市は平均年齢も若く、人口が増え続けている元気な市です。

国保の状況をお知らせください。

松本:平成26年度末時点で、被保険者数19,211人。平均年齢48.8歳(埼玉県平均の50.4歳)となっていますが、医療費は平成25年度から埼玉県の平均を上回っています。保健指導実施率に関しては、健康増進課が頑張ってくれていますので、平成25年度実績で50.5%となっています。

健診結果予測・分析サービス導入以前の課題について教えてください。

松本:健診受診率が低く、継続率も低いことが課題としてありました。また、メタボ率も課題のひとつでした。保健センターでは、幅広く保健事業を実施しており、保健指導実施者での改善は進んでいたのですが、やはり新規にメタボになってしまう方が多く、メタボの総数がなかなか減らない状況でした。

どのような保健事業を実施されていたのか、教えてください。

菅原:特定保健指導における積極的支援、動機づけ支援は勿論のこと、データヘルス計画以前より、健診結果の返却時に個別の対応を心がけており、重症化予防として、メタボか否かに関わらず、HbA1cが受診勧奨値を超える方、高LDLの方、高血圧の方、腎機能低下の方を中心に外部委託をせずに実施しています。

弊社のサービスを検討された、いきさつを教えてください。

松本:きっかけは、エヌ・エイ・シーからの資料と説明でした、重症化予防のことしか検討していなかったので、新鮮な提案でしたし、現状を考えると、新たにメタボになってしまう方への対応に可能性があると感じました。アドバイスシートを送るだけで、効果が出せるとすれば、効率的な保健事業で、他社からはこのような提案を受けたことがありませんでしたので、まずは実施してみようと考えました。

菅原:初めての提案でしたし、「こんなことができるんだ」というのが最初の感想でした。新しい保健事業として大切なことは、今まで保健センターで積み上げてきた保健指導の流れと異なるものではないか?というポイントでした。今までの流れを否定するものや、異なる方向性のアドバイスが出てしまうようでは、対象者を混乱させてしまいますので、その点についてはしっかり確認しました。

導入を決定されたポイントはどんな点ですか?

松本:新たにメタボになる方の数が多いことに対する対策としては勿論のこと、健診受診率や継続率が課題となっていましたので、継続して受診している方に対して、このような保健事業が実施できれば、継続率の維持向上にも効果があるのではないかと考えました。

菅原:このメッセージを見て、健診を受けようと思ってもらったり、ご本人に対して注意喚起ができるのであれば有効ではないかと考えました。

導入にあたって、ご苦労された事はございましたか。また導入されてみての感想を教えてください。

松本:吉川市では、保健センターと国保年金課の関係性が良いので、非常にスムーズに導入できたと感じています。 また、通常、市から住民の皆さんに何等かのアクションを実施した場合、問い合わせが入ることが多いのですが、この事業に関しては、そういったこともなく、自然に受け入れられている感じがします。 ただ、保健指導の現場をあずかる菅原さんは、初めてのことでもありましたので、出力されたアドバイスシートを1枚ずつ全て確認していましたので、その点は大変だったかも知れません。

今後、市として、健康増進のために進めていきたいこと、もしくはご検討されているサービスはありますか?

松本:ひとつは「毎日1万歩運動」です。6か月間毎日1万歩歩いてみていただいて、その方たちの健康状態を取組の前後で、血液検査、身体・体力測定を行い、確認をして効果があるのであれば、規模を拡大して実施したいと考えています。 ふたつめは、ヘルスケアポイントとして「よしかわ健康・体力づくりポイント制度」もスタートさせました。 今後については、私案ではありますが、運動する場を提供するような具体性のあるポピュレーションアプローチを実現させたいと考えています。